MESSAGE

 浅口の未来を紡ぐ。




この町の至る所に、
僕の思い出は詰まっている。

白球を追いかけた、天草公園
手を繋いで連れられた、植木市
潮干狩りをした、寄島の砂浜

幼い頃は、家から一歩踏み出せば
いつも、ワクワクする何かに出会えた。

毎日、日が暮れるまで
友達と遊んだ。

気がつけば、昔より道は広くなっていて
どこに行くのも簡単になった。
24時間買い物を出来る、
コンビニがいくつもでき
あっという間に、
携帯電話もインターネットも普及した。

便利なものが増え、沢山の恩恵を受けて
僕たちは、望んだ通りの豊かな未来に、
辿り着けたのだろうか。

朝、交差点で演説をしていると、
学校に向かう、小学生の男の子が
『おはようございます!』

と、元気よく挨拶をしてくれた。
その姿が、幼い日の自分に似ていて
嬉しくなった。

この町で、変わらずに繰り返される、
朝の風景。
懐かしくもあり、愛おしくもある。

だけど、変わってしまった事もある。

どこの小学校も、僕が通っていた頃に比べ
児童の数は少なくなった。
今の子どもたちは、
仲良くなれる友達の数も、
喧嘩できる友達の数も、僕の時よりも、
きっと少ない。

秋祭りの子ども神輿は、
しばらく倉庫に眠ったままだ。
祭りの法被を着て、
ワッショイ!と張り上げる声は
もう、聞こえない。

それを僕は、少し寂しく感じる。

昔、見上げるほど大きく、
頼もしく感じた父の背中は
ふと、気がつけば、
少し小さく丸まって見えた。

昨日と同じ穏やかさを、今日に求め
今日と同じ温かさを、明日に願い

ささやかな毎日を守るために
みんな、一生懸命に生きてきた。

それでも、日本は
この浅口は
穏やかに、確実に
小さくなっていっている。

今の子どもたちが、成人式を迎える頃
この浅口は、
どれほど小さくなってしまうだろう。

もちろんそれは、浅口だけの話じゃない。
日本中の地方は、
どこだって似た様な状況だ。

だから。
これも時代の流れだと、
受け入れるべきだろうか。
でも
本当に、それでいいのだろうか。

変わる事を恐れ、
緩やかに衰えていくこの町を、
ぼんやりと眺めながら、
上手く生きていく術を探す事が、
悪いとは言わない。

だけど、その背中は。
子どもたちの目に、どう映るだろうか。

昔は良かった、昔に戻りたい
とは、思わない。

ただ、この町で生まれ育つ、
全ての子どもたちに
僕が出会えたような、多くの友人と

数えきれいないほど沢山の
楽しい思い出を、作ってもらいたい。

と、願うのは、
僕のわがままだろうか。

抗おう。

目まぐるしく変わる、時代の中で
今日のような、穏やかな町を、
未来に求めるなら。
小さな変化を、繰り返さなければいけない。

一歩ずつ、ひとつずつ。

ささやかな毎日を守るために
みんな、一生懸命に生きてきたはずなのに

今の子どもたちが、成人式を迎える頃
この浅口は、
どれほど小さくなってしまうのだろう。

そう考えると、胸が苦しくなる。

もちろんそれは、浅口だけの話じゃない。
日本中の地方は、
どこだって似た様な状況だ。

答え無き問いに、最善を求めよう。
机上を離れ、自らの手と足で触れよう。
人と話し、その声を聞こう。
新しい時代を、学び続けよう。

政治を志した日に僕は、そう自分に誓った。

だって政治は、テレビの中のショーじゃない。

今、ここに生きる人の、命を支え
大切なものを、
未来に受け継ぐために、
人が生み出した、ひとつの知恵だから。
失うわけにはいかない。

未だ、世界が経験したことがないほどの
少子高齢化が、僕たちの日常としてここにある。

僕たちは、この現実を前にして、
何が出来るだろうか。
どんな可能性を、見つけらるだろうか。
どれだけ、力を合わせられるだろうか。

勇敢な歩みの先に
幸せな未来は、きっとある。
だから、僕たちは変わろう。
変わらない故郷を、未来に残すために。

この時代を、共に生きていくために。